爻位の構成:上掛(外卦)・下掛(内卦)・八掛の基礎
- 2019.10.27
- 易占いの基礎

六十四掛はなんとなく聞いたことがあるけれど、爻位(こうい)についてはいまいち良くわからない・聞いたことがないという人もいるのではないでしょうか。
爻位は易経占いの基本でもあります。この記事では爻位の意味や構成、八掛などの基礎について解説していきます。
爻位(こうい)とは卦を構成する要素
今回説明していく爻位(こうい)は卦を構成する1つの要素です。卦は、経の全体の意味を示す…大儀の意味で占い結果である卦辞(かじ)とその結果を示す6本線の記号のような爻位で構成されています。
少しわかりにくいので、タロットカードなどの占いをイメージしてみてください。卦辞は引いたタロットカードが示す意味で爻位は引いたタロットカードそのもののような感じです。
例えば「世界」と「塔」のカードを引き、それぞれに意味があること。これが爻位です。そして、「世界」と「塔」を総合して読みといたものが卦辞です。とはいえ、これも大儀でしかありませんが自分で占うわけではないならそれくらいの認識で大丈夫です。
- 爻位:6本線の記号。結果を示すツール
- 卦辞:占いの結果。全体の意味を示す
経の基本的な構成については、「易の構成とは。易経占いの理解を深める」で解説しているので読んでみてください。
爻位の構成
次に爻位の構成についてお話ししていきます。易経は陰陽に基づいた森羅万象的な考え方をしています。そして爻位もそのような考えで示されます。
6本の横線は陽⚊と隠⚋の線から成り、上下それぞれ3本を組み合わせた三爻を八卦(はっか・はっけ)。上の八卦を上卦(外卦)、下の三爻は下卦(内卦)と呼びます。
実は当初は八卦で事足りていたんです。しかしより詳細に物事を知るために八卦を2つ使い、8×8で占うことで過去・現在・未来のことが見れるようになりました。これが、六十四卦です。
そして、爻は時間の流れや物事の変遷など変化を示し、初爻から上爻へひとつのストーリーが描かれているとも言われています。
初爻と言う言葉が出てきましたが、これは爻位の順番を示しています。見方は下から上。初爻・二爻・三爻・四爻・五爻・上爻と言います。それぞれに意味があるため、下記で簡単に紹介しますね。
- 初爻:
一番下の爻。弟妹・平社員・村・足などの支えるイメージ。季節は1月~2月 - 二爻:
下から二番目の爻。係長・町・脚部など初爻よりも進むイメージ。季節は3月~4月 - 三爻:
下から三番目の爻。責任感があるイメージ。課長・市・股・腰など。季節は5月~6月。 - 四爻:
下から四番目の爻。重要な役割を担うイメージ。重役・大都会・腹など。季節は7月〜8月 - 五爻:
重要な幹のイメージ。それに伴って、父や社長・都市・胸・背中などがキーワード。季節は9月~10月 - 上爻
一番上の爻。作り上げてきたもの・完成されて落ち着いたようなイメージ。祖父母・会長・郊外・頭や首など。季節は11月~12月
つまり、爻位は上掛(外卦)と下掛(内卦)それぞれの八掛の組み合わせで決まるということがわかります。
八掛の種類と基礎
最後に八卦の種類と基礎を解説していきます。意味は別の記事で紹介していきますが、八掛を知ることは易占いを知る一歩と言えます。
八卦が示すものは自然と人との関わり
まず、八卦の成り立ちについて軽く触れておきますね。易経は元々中国から生まれた統計学です。そのため、中国の考え方が色濃く反映されています。
昔の中国の人たちは自然と人との関わりの中から、「天・沢・火・雷・風・水・山・地」の8つの要素が影響を与えると考えました。自然を8つに分けたんですね。そして、「乾・兌・離・震・巽・坎・艮・坤」を代替文字として当てました。これを掛名と言います。
そして、その掛名に相応する8つを正象(せいしょう)と言い、八掛で最も大切な要素です。さらにその掛名には掛徳(かとく)という要素もあります。掛徳は八掛ひとつひとつの性質や働きを示し「健・説・麗・動・入・陥・止・順」が対応しています。
これらが上掛・下掛それぞれで組み合わされて六十四卦となります。
八掛一覧表
八掛には八掛一覧表というものが存在しています。これはどの要素が何と呼応し、意味を持っているのかを一覧にした表にです。割と表だけでも意味が読み取れるようになっています。
掛名 | 乾 | 兌 | 離 | 震 | 巽 | 坎 | 艮 | 坤 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
正象 | 天 | 沢 | 火 | 雷 | 風 | 水 | 山 | 地 |
掛徳 | 健 | 説 | 麗 | 動 | 入 | 陥 | 止 | 順 |
人間 | 父 | 少女 | 中女 | 長男 | 長女 | 中男 | 少男 | 母 |
動物 | 馬 | 羊 | 雉 | 龍 | 鶏 | 豚 | 狗 | 牛 |
身体 | 首 | 口 | 目 | 足 | 股 | 耳 | 手 | 腹 |
方位 | 西北 | 西 | 南 | 東 | 東南 | 北 | 東北 | 西南 |
季節 | 10月11日 | 9月 | 6月 | 3月 | 4月5日 | 12月 | 1月2日 | 7月8日 |
味 | 辛 | 辛 | 苦 | 酸 | 酸 | 辛 | 甘 | 甘 |
色 | 白・金 | 白・金 | 赤・紫 | 青 | 青 | 黒・赤 | 黄 | 黒・黄 |
九星 | 六白 | 七赤 | 九紫 | 三碧 | 四緑 | 一白 | 八白 | 二黒 |
五行 | 金 | 金 | 火 | 木 | 木 | 水 | 土 | 土 |
易数 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 |
易占いの基礎を知ってビジネスや投資に活かす
プロの占い師に見て貰えば、易占いの知識はなくとも結果だけ知ることができます。人生やビジネス・投資にそれをアドバイスとして反映させれば良いだけです。
しかし、咄嗟の時や自分で占ってみたくなった時、結果は覚えているけれど詳細を忘れてしまった時などに基礎知識があればある程度の情報で、その結果の輪郭を読み取ることができます。
お金だけ出して全てが掴めるなら誰でもやってます。ですが、成功するためにこれから始めるビジネスや投資は基礎知識をはじめとする勉強をしたのではないでしょうか。ビジネスや投資をする時と今学んでいる易占いの基礎知識は同じなのです。
とはいえ、統計学として長年中国で培われてきた技術は一朝一夕で身に付くわけではありません。プロに占ってもらいながら、少しずつ学んでいくのがベストでしょう。そしてそれを人生やビジネス・投資などに活かして行ってください。
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